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アロママッサージ(アロマトリートメント)とは

人は肩がこったりお腹が痛くなったりすると、自然と手でもんだりさすったりします。マッサージというのは、人間が自然に身につけている最も古い健康法の一つです。アロママッサージ(アロマトリートメント)は、エッセンシャルオイル(精油)の有効成分を皮膚を通して効率的に体内に吸収させることが出来ることから、こころとからだのリラックスやリフレッシュ、そしてもちろんお肌に対しても効果的な方法です。

アロママッサージを行う際には、精油をキャリアオイルで希釈してつくったマッサージオイルを使用します。精油の原液は直接お肌につけてはいけません。

 

キャリアオイル(ベースオイル)とは

キャリアオイル(ベースオイル)とは、マッサージオイルをつくるときにベース(基材)となる植物油の総称です。肌の奥深くにエッセンシャルオイルが浸透するのを助けることから、キャリアオイル(carrier=運ぶもの、媒介)と呼ばれています。

代表的なキャリアオイルと、その特徴を以下に記載します。

スイートアーモンドオイル

スイートアーモンドの種子から搾油したオイル。栄養分が豊かで、なかでもタンパク質を多く含み、肌を癒して柔らかくする効果に優れる。ビタミンD、Eやミネラルなども豊富に含み、肌のかゆみを抑えて疲労した肌を回復させる。

ホホバオイル

南米の砂漠に生える植物ホホバの実から採取される液状ワックス。化学構造が人の皮膚の油性分泌物と似ているため、肌によく浸透し、サラッとして伸びが良い。あらゆるタイプのお肌に有効。

グレープシードオイル

ぶどうの種子から抽出したオイル。軽くのびのある使用感で、ビタミンEを多く含む。お肌への刺激も少ないため、敏感肌にもOK。

アプリコットカーネルオイル

杏仁(あんずの種子の核)から抽出したオイル。きめの細かい、さらさらとした質感が特徴。ビタミン、ミネラル、オレイン酸を多く含み、美容目的によく使用されフェイシャルマッサージに向いている。

 

マッサージオイルの作り方と保存方法

マッサージオイルの作り方

遮光ビンにキャリアオイルを移し、エッセンシャルオイル(精油)を数滴加えます。精油の濃度は1%を目安にします。竹串やガラス棒でよくかき混ぜれば完成です。
精油の希釈濃度については、次の項で解説いたします。

マッサージオイルの保存方法

遮光ビンに入れ、冷暗所で保管します。ご自宅で作ったマッサージオイルは、1ヶ月以内をめどに使い切るようにしてください。

 

エッセンシャルオイル(精油)の希釈濃度について

エッセンシャルオイル(精油)をキャリアオイルで希釈するときの濃度は、1%を基本にします。30mlのキャリアオイルに対して、どのくらいの精油が必要になるか計算してみましょう。

1%の濃度のマッサージオイルをつくるためには、30ml×0.01=0.3ml の精油が必要になります。0.3mlの精油が何滴に相当するかというと、精油1滴の量はおよそ0.05ml ですので、0.3ml/0.05ml=6滴 となります。

50mlのキャリアオイルに対して必要な精油の量は、同様に計算すると10滴となります。

キャリアオイルの量 10ml 20ml 30ml 40ml 50ml
必要な精油の量 2滴 4滴 6滴 8滴 10滴

海外では2~3%の濃度に希釈することも多いようですが、(社)日本アロマ環境協会では1%を推奨しています。安全にアロママッサージを行うため、1%程度を目安としてください。

実際に希釈を行うときは、遮光瓶にキャリアオイルを移し、そこに精油を落として竹串などで混ぜると良いでしょう。2種類以上の精油をブレンドする場合は、合計量が上記の量になるよう配分します。

 

パッチテストの方法

エッセンシャルオイル(精油)はキャリアオイルで1%以下に希釈すればマッサージ(トリートメント)に使用することが出来ますが、たとえ希釈したとしても、精油の種類によっては、その成分が体質に合わない場合もあります。

特に、お肌の敏感な人やアレルギー体質の人は反応が出やすいので、精油を使ったトリートメントを行う場合は、事前にパッチテストにより安全を確認することをおすすめします。

パッチテストの方法は簡単です。
精油をキャリアオイルで1%以下に希釈し、それを1滴ほど腕の内側のやわらかい部分に塗り、数時間から1日放置します。

何も異常がなければ問題ありません。
もし、皮膚にかゆみや炎症などが出てきた場合は、残念ですがその精油によるトリートメントはあきらめて下さい。異常がみられた場合は、大量の水でテストした部分を洗い流して下さい。

 

アロママッサージの基本ストローク

10円玉くらいの量のマッサージオイルを手にとり、両手によくなじませます。マッサージしたい箇所を両手でやさしく念入りにさすったり揉んだりしてください。

マッサージの基本動作は、「さする」「もみほぐす」「たたく」の3パターン。やさしくさすることから始まり、だんだんと力を加えていきます。少なくとも同じ動作を最低3回は繰り返すのがポイントです。リズミカルに行いましょう。

体にたまった疲労物質や老廃物は、上の図のようにリンパ液の流れに乗って排泄されていきます。マッサージはこのことを頭に入れ、手足などの先端部分から体の中心に向かう順序で行うと効果的です。

マッサージ後は基本的に洗い流しません。一晩じっくりと浸透させてください。ベタつきが気になるようであれば、タオルで押さえて拭き取り、次回からはオイルの量を少なくします。入浴後の血行の良いときに行うと効果的です。

 

アロママッサージの方法 (部位別)

足(足の裏、足の甲)のマッサージ

足の裏には内臓機能につながるツボがたくさん集まっているので、ここをもみほぐすことは非常に効果があります。また、足全体のむくみやだるさをとるためにも効果的な部位です。
足の甲は指先から足首の方向にやや強めにさすります。アキレス腱も軽くもみほぐすようにしましょう。

脚(もも、ふくらはぎ、足首)のマッサージ

立ち仕事が続いたり、長い距離を歩いたりした時は、むくみや筋肉痛となって疲労が現れます。疲れを持ち越さないで解消する習慣を身につけましょう。
マッサージは足首から始めて、ふくらはぎ、ひざの裏側、ももの裏側の順で行います。リンパの流れにそって老廃物が流れ出していくのを意識しながら行いましょう。ひざからももにかけてはしっかりとさすります。

腹部のマッサージ

おへそのまわりを時計まわりにやさしくマッサージ。腸の流れにそって行うので便秘の解消にも効果的です。1分くらい続けましょう。おへそのまわりには天枢(てんすう)、関元(かんげん)といったツボもあり、おなかを健康な状態に導いてくれます。
ソフトに行うのが基本ですが、シェイプアップのためには、軽くもんで刺激を与える方が効果的です。

肩、背中のマッサージ

肩先から耳の下に向けてやや強めにさすり、こりを感じる部分をもみほぐします。
背中のマッサージは、腰からはじめて円を描くように背中の上部までさすり、もう一度腰に戻ります。パートナーと行うとよいでしょう。
腰骨にそってツボが集中しているので、細かく刺激を与えるよりも、大きく流れをつくるマッサージが向いています。

手のマッサージ

手の甲は指先から手首に向かってさすり、指も1本1本もみほぐします。手のひらには多くのツボがあるので、親指を使って全体をもみほぐすと効果的です。